ハロウィン。

なんだかリンクページ作りたい今日この頃です。

どこかで、本場のイタズラの例として「家をトイレットペーパーでぐるぐる巻きにする」というのを読んだような気がします。絶妙なアホさ加減に感動。

ハロウィン小話を書いてみようという試み。 マナミとママが地道で、たーくんが可哀想な感じ。てきとーにフリー配布。続きからどうぞ。編ってあるけど、適当につけたタイトルなのでシリーズ化するかは全くの未定です。だから、HPに飾って下さってokなんだけど、ちゃんとしたタイトルをつけてくれることが条件です。

書き手として、それってどうなの？とか言わないでー！

今日はお日さまが気持ちいい日ですね、兄ちゃん。いい匂いもするし！
「何たーくん甘えてるの？」
兄ちゃんのおひざも気持ちいいからです。もっと撫でて下さい。あごの下がいいです。首をのばします。にゅーん。ほら兄ちゃん撫でて下さい。
「はいはい」 
兄ちゃん好き。ゴロゴロゴロ。
「マナミ、もうすぐできるよ」
お姉ちゃんは、今日も僕にナイショでおいしそうなものを作ってます。兄ちゃんにはあげるのに、僕にはくれないの。イジワルだと思いませんか兄ちゃん。
「もうできるの？　いい匂い」
「あと10秒すぎたよ」
無視ですか。……無視ですか！　兄ちゃんもイジワル！　噛みついてやる！
「痛！　たーくん急に何!?」
ふんだ！

あ！　ぴーぴー鳴りました。
知ってるんです。この音は、お姉ちゃんがどこからか甘いものを持ってくる合図なんです。どこから持ってきてるんでしょうね。お姉ちゃんのヒミツなんです。僕は見ちゃダメなんだって。
「はい、マナミの分。パンプキンのスフレ」
なんですかこれ！
「こんなに膨らんだの？」
兄ちゃんもビックリしてます。変な形してます。なんかこわい……。
「ふくらんでるうちに食べて下さい」
兄ちゃん、ほら、早くやっつけちゃって下さい。
「あ、でも」
なんですかお姉ちゃん？
「でも？」
「ほら、あれ」
「……？　ああ」
なんですか兄ちゃん。早く早く！
「Trick or Treat？」
「Yeh！」

「ごちそうさま」
はぁ……こわいのバイバイ。安心したよぉ。くたくたです。
「ねぇねぇマナミ」
今度は何ですか。
「もし私にイタズラするとしたら、何する？」
お姉ちゃんにイタズラですか？　うーんとねー。
「あ、たーくんが噛みついた。あまがみ」
「僕の代わりに悪戯してくれたんじゃない？」
そうです。兄ちゃん笑ってます。楽しそう。嬉しいです。だから撫でて。あごあご。
「褒めてつかわそう」
ゴロゴロゴロ。
「悪戯かー。そうだね、イチの日記帳の、全部の日付にデタラメな１行日記を書いておく。『今日、訓練の成果が実り、たーくんが自発的に阿波踊りを踊った』とか」
おどり？
「まだ２年と２ヵ月分あるよ？」
「だから面白いんじゃないか」
おもしろいの？　どうやったらできるの？
「日本人って、そういうの好きだよねー」
ねーねー。
また無視？　キライになっちゃうぞ！
お姉ちゃん笑ってるけど、キライになっちゃうんだからね！
「お母さんもね、そんなこと言ってたよ」
「母さんにも訊いたんだ。なんて？」　
お姉ちゃんはクスっと笑いました。僕のことどうでもいいの？　さみしい。
「私の編み棒全部に顔を描いて、ついでに手足も付けるって。編み棒30本はありますよって言ったんだけど、『それでもやる！』って」
ねーねー。
「あー、母さんも地道な落書き路線か……。母さんと被るなんて……」
「だから、親子だなーって思ったの」
うー……。
こうなったら……こうだ！　兄ちゃんカクゴ！
「痛っ！　またたーくん噛んだ。本気噛み」
ふん！　兄ちゃんが悪いんです。

あ！　ドアの音ですよ！
「ただいまー！」　
ゆうちんだ！　ゆうちん、ゆうちんは味方だよね！
玄関に走って行くと、ゆうちんニッコリ。だっこしてくれました。
お姉ちゃんも来ます。べーっだ。ゆうちんは僕の味方だもんね。
「Trick or Treat？」
「ふふ。手を洗ってからね」
「やった！　今日のおやつ何？　カボチャだよね！」
「お楽しみに」
ゆうちんウキウキしてる。あれ、ゆうちん、もしかして、お姉ちゃんの仲間なの……？
「あ、ゆうちゃん、もしイタズラするなら何する？」
ゆうちんスリッパをはきながら
「うーんとね……」
考えます。何だか、ヤな予感……。
「たーくんにマユゲかく！」

ゆうちんのバカぁ!!